「死神を食べた少女<上・下>」【レビュー】

死神を食べた少女 (上)死神を食べた少女 (下)死神を食べた少女 (上)死神を食べた少女 (下)
死神を食べた少女(小説家になろう)
著/七沢またり イラスト/チョモラン

血塗れの少女が戦場を駆けるファンタジー戦記。!
貧しい村に生まれた少女・シェラは、自分を襲う解放軍兵士の後ろに
「美味しそうな」死神を見る。
死神の鎌が振り下ろされるより早く、シェラは死神をたいらげた。
そして、彼女は王国軍の兵士となる。大きな鎌を手に憎き帝国軍を倒すため、
美味しい食事にありつくため――。

戦場で畏怖される少女――その名は‘死神’
悪鬼のごとく大鎌をふるい戦場を駆ける‘死神’シェラの目的は、
勲章でも昇進でもなく美味しい食事のため。
しかし、その奮闘もむなしく圧倒的な解放軍の勢いを前に敗戦続きの王国軍。
シェラに再び迫る死神の影、
忌まわしき刃が振り下ろされるのは、落日の王国軍か、正義の解放軍か――。


感想
 歴史は繰り返すということを端的に示している。舞台となる王国は末期状態、愚鈍な王が政を放棄し後宮に引き篭っています。補佐するべき宰相は小姓からの成り上がりで自分の欲のために行動する。中には良識を持ち合わせている人もいるが、激化する権力争いで国内が疲弊することを恐れ、自領の守りを固めています。世界の大陸には王国の他に帝国と連合が存在し、帝国は王国と度重なる戦闘状態に入っています。国境沿いの領は王国上層部を見限っていますが、帝国領の地域とは先祖代々の因縁があるため結束が強いです。そのため、帝国の王国への侵入はなんとか食い止められています。そんな中、現王と同じ王家に連なる放逐された姫が解放軍を率い王国に決起するとこらへんから物語は始まります。
 主人公は貧しい寒村に住む少女で、食糧難の中、食い扶持を減らされて憔悴していきます。解放軍が王国軍を偽り村から徴発もとい略奪していく最中、敵兵士に殺されそうになります。が、その時現れた死神を食べたことにより力を手に入れます。物語中に出てくる力は「大鎌を持つと無双」「小鎌でも無双」「不老不死(恐らく)」ぐらいで戦略的に時勢を変えることはできません。少女は自分の食べ物を奪った解放軍を皆殺しにすべく王国軍に加わります。そんなこんなで活躍する話です。
 局所的に活躍するものの最初から疲弊しきった王国軍はジリジリと追い詰められていきます。勝利する戦がメインではなく、崩壊していく王国軍が全(前)面に書かれています。少女は食べ物への執着が非常に強いです。食事中に邪魔したものは容赦しません。物語中には少女の食事シーンが多くあります。

物語の核心部分を書くのはあれなんで触り程度ですが、気になるのならWeb版を読んでから手にとってください。ファンタジーというより戦記モノ。戦記モノというよりグルメ物。残酷なシーンが多々ありますが、死神に魅入られる(重要語句)程、惹きつけられました。

死神を食べた少女 (上)
死神を食べた少女 (下)

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