「白の皇国物語14」【レビュー】

白の皇国物語 14
白の皇国物語 14縹渺世界シリーズ(小説家になろう)
著/白沢戌亥 イラスト/マグチモ

第三章:諸国鳴動編第四話~第九と半分の話に該当。

シリーズ累計40万部突破! 異世界英雄ファンタジー第14弾!
 国王が軍に処刑され、内乱に揺れる<マルドゥク王国>。大陸の秩序維持のため、皇国をはじめ多くの国々が、その内乱を終わらせるべく奔走していた。そんなとき、マルドゥク国王の後継者を名乗る男――レイヴンが、レクティファールの前に現れる。レイヴンは皇国の若き摂政に、ある頼みごとをした。それは、乙女騎士ウィリィアを王妃にしたいというもの。これは単なる求婚ではない。ひとりの女性を軸にした政治的駆け引きだった――


■感想
 アルマダ大陸の地図がやっと出てきましたが、全ての国が書かれている訳ではないようでした。
(連邦の位置が書かれていない?)国境線がいまいち分かりにくいです。早く世界地図が見たい。

 表紙にウィリアさんがドーンと居られます。今回のヒロイン(?)です。大陸西域にあるマルドゥク王国での政変に介入するのですが、軍事介入ではありません。皇国が主導して、停戦協定を結ばせるまでが今回の流れです。

 堕落した王政府から軍が政権を奪取し、王族を処刑します。国民は王家の専横に嫌気がさしており、簒奪と知りながらこれを受け入れます。実際、政情は安定し少なくとも後退はしなかったので国民感情は軍側に同情的です。市場経済である連邦の商人たちは危うい市場から次々と撤退を始めましたが、皇国資本は撤退せず、経済支援を行いました。連邦系商人は投資家の影響を受け、手を引かざるを得なくなりますが、皇国資本は皇立の企業であり、皇王の意向によって運営されているからです。長期的な国益を重視し、利益を求めない皇国資本に、連邦系商人は太刀打ちできません。これによって連邦は王国内の市場において後手に回ります。

 処刑を逃れた第三王子パトゥーリアはアルストロメリア連邦にて、正統政府を樹立。連邦の庇護の下、軍事政権からの王国奪還を目指していましたが、いくら国外から声高に正統性を主張しても、理想だけでは誰もついてきません。そこに、横からレイヴンが現れ軍事政権を打倒し、自分が正統な王位継承者であることを宣言します(実際に血統は証明される)。周辺各国がどちらの政府を承認するのかでゴタゴタしている間に、二人の王子は互いに戦闘を始めます。おなじ国民の兵士が戦うという無情な戦闘が起き、パトゥーリアが倒されるかというところで「大陸安全保障会議」の待ったがかかります。停戦がなされ西域は安定し、大陸への交易拠点として復興することが決まります。

 レイヴンは幼いころに皇国を訪れており、その時にウィリアとある約束を交わしますが、彼が停戦時に自分がまだレクティファールを超えていないことを悟り、ウィリアを諦めます。

 今回は後宮の面々は蚊帳の外で、ウィリアに焦点が当たっています。ウィリアの今後の立ち位置を決定づける重要な話であると同時にレクティファールの大陸外への脅威に対する認識が分かります。皇国が主導する大陸安全保障会議に帝国はどう出るのか、はたして他大陸の国家とどう衝突するのか、今後も期待です。

■書籍版での新登場人物
パートン(皇国国民議会議員)
カント男爵(皇国貴族議会議員)
ウォルンド・ギア・カティーナ伯爵(皇国貴族議会議員)
アントニオ・ヴェスパティレ(マルドゥク王国基地司令官、陸軍大佐)
ヴィッツ・ハルケン(マルドゥク王国基地司令官、陸軍大佐)
フィリバ・ラナーレ(マルドゥク王国軍第三空中騎士連隊第九中隊上等兵)
ズィリン・モディーゴ(マルドゥク王国騎士大尉)
グルー・ラルビーズ(アルストロメリア民主連邦上院議員)
ジョージ・パルシヴァル(アルストロメリア民主連邦下院議員)
キャンスター・ウォルホール(アルストロメリア民主連邦下院議員)

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